そば・・・・これが現状!!

栽培環境(気象条件)や
目的による品質の違い

手打麺と機械麺の違い

石臼挽きとロール挽きの違い

温そば(温かいつゆのそば)
は邪道
 
  そば‥‥これが現状!!

現在、スーパー(量販店含む)や通販などの市場で「そば」呼ばれている商品の99%は「そば粉比」30%前後の「そばもどき=そば色のうどん」と云っても過言ではないでしょう。
この基準を承認し管理しているのが「公正取引委員会」であり、昭和43年に制定されたまま約40年間ほとんど改善される事なく今日に至っています。

拝啓 公正取引委員会 殿

くたばれ!「そばもどき」!!
例えば「米:30% 麦:70%」白米といわれて納得しますか?

「そば粉:30% 小麦粉70%」でなぜ「そば」なのか?

なぜ消費者は文句も云わずこの様な「そばもどき」を食べ続けるのか?
いつの間にか多くの消費者は現在の「そば基準」に慣らされてしまい「そば」本来の
「価値」が分らなくなってしまったのではないかと思うくらい「そば」の本質を知らない消費者の多さに驚きます。
小麦粉が悪いという事ではなく商品名を「そば」と定める以上主成分として「そば粉」は少なくとも50〜60%以上入れよと言う事です。現在の配合の目安はラベルに「そば」が先に表示してあれば「そば粉」が多く「小麦粉」が先なら「そば粉比」が少ないというあまりにも漠然とした表示しかされていません。
明確に分かるように「そば粉配合比」を3段階以上に分け消費者の選択肢を明確にし
管理指導されなければ本当の意味での「そば」は流通されないと考えます。
当然「そば」を提供する店舗内にも配合比を明示すべきです。
改善すべき問題は消費者みずからが声を上げねば変わりません。
それにはまず「そば」と「もどき」の現状を理解し、もう少し「ほんまもん」の「そば」を理解されてこそ物申せるのではないでしょうか。
「消費者」の(知らない=認識不足)を良い事に どんどんと「そばもどき」と「ほんまもん」の価格差も広がっています。
都市部では一杯千円以上などと言う「そば屋」も珍しくありません。
「ほんまもん」が流通しないからバカ高い「そば」を食べる人が増えるのです。
手軽で安いからといっても配合比30%以下の「そばもどき」を当然のように販売されたのでは 過去に池田総理の言った「貧乏人は麦を食え」という発想と変わりません。
もっと多くの人々が 「ほんまもんのそば」を普通に食べられる様な手軽な「そば文化」を復活させるのはやはり、消費者自身の「そば」を「見極める力」ではないでしょうか。

  栽培環境(気象条件)や目的による品質の違い

「そば」は比較的短期間で収穫でき その分 栽培管理も楽なため国内の至る所で
「地域活性化や村おこし」の名目で休耕田を活用した栽培が盛んに行われています。
確かに「そば」は国内殆どの地域で栽培する事は可能ですが「何のために栽培」を行うのかという目的意識が非常にずさんな地域も多いのではないでしょうか。
つまり「食用目的」か「鑑賞目的」か・その多くは二兎追うというパターンですが消費者が「そば」を知らないからといって食用として提供する事自体来場者に失礼でありあたかも地域を代表する特産品の如く提供する等の地域もありますがそれにはまず「そば」としての相応の特性を備えたものでなければならないと考えます。
その理由として、

■「そば」の花は白く(赤い花もありますが食用としては余り適さないといわれ又、継続及び交配の可能性のある地での種子は使えないとされています)
びっしりと咲き乱れた様子は可憐で清楚で思わず立ち止まって見入ってしまう程です。
「観賞用」であればこれで十分ですがこれを「有料食用」として多くの人々を集め
あたかも特産品の様に提供するのは人々に錯覚を起こさせるばかりかそれ自体が地域の「そばの味」として広く認識され他の地域の多くの「そば屋」も同一視される可能性も否定出来ず問題すら提起致します。「村おこし」にも良識ある地域活動が肝要と考えます。
■穀類・野菜・果実から畜産に至る食料の多くは生育する地域の気象条件や土壌によってその味は大きく左右されるため 栽培努力だけではどうしても解決されない問題が残ります。「そば」も決して例外ではありません。いろいろと地域に合うよう努力・改良はされていますがやはりその風土や地域に適した所から良質の品質が生産されるのは否定する事の出来ない事実でもありましょう。
■ 鑑賞用と食用は別種類ではありません。
同じ性質を持つ「そば」ですが問題なのはその過程です。
@まず「そば」は根水を極端に嫌います。「村おこし」等で栽培される「そば」は休耕田の活用であり水稲の後地の有効利用が大半です。申すまでも無く水田は水持ちが命であり粘土質の土壌に水はけの良い土質を好む「そば」をそのまま栽培する様な感覚では目的意識も見られず食用として良質な「そば」の育成は不可能でしょう。また
A「上質なそば」の栽培に絶対に欠かせない条件に夏から秋にかけての大きな寒暖の差が不可欠です。あくまで夜は深々と冷え込み早朝には朝霧の降り立つなだらかな高原や台地・・・この様な条件化で育った「そば」と単なる休耕田に「客寄せパンダ」的に栽培された「そば」とでは雲泥の差が生じるという事です。
極端に言えば「そば」栽培に過水は百害あって一利なし!
さらに四季折々、通常人間が過ごしやすい気候では「美味しいそばは育たない」というふうにご理解頂けば分かり易いのではないでしょうか。

たかが「そば」!・・・されど「そば」!!
美味しい「そば」にはやはり多くの条件が伴わなければなりません。

  手打麺と機械麺の違い

麺の美味しさの大きな要因に加水率(粉を練る時に加える水の量)があり可能な限り
加水率が高いほど美味しい麺に仕上がります。

手打麺

「こね→のし」という力のいる作業を人力で行うため当然加水率が高くないと作業が出来ません。さらに非力な分時間をかけて丹念に練りこまないとなりません。結果この加水率の高さと丹念な練り込みがあいまって麺特有のコシを生み出します。
-つまりこの作業と熟成が本来のコシを生む重要な工程なのです。

機械麺
大量に生産する事が目的でありより保存日数を延ばす事が絶対不可欠です。当然 水が多ければ日持ちも悪く又、半生麺や乾燥麺にするコストも余計にかかるため 極力 加水率を抑え強力な機械力で練り上げます。
■現在、スーパー(量販店含む)や通販等で販売されている99%以上は機械麺ですが手打麺と違い少ない水で短時間に練り上げるため当然 非常に強い(硬い)麺に
仕上がります。この麺の強さ(硬さ)をコシと勘違いされる方が非常に多いようです。
コシと硬さは根本的に違うと言う事をご理解下さい。
  石臼挽きとロール挽きの違い
石臼挽き

御影石などの臼をゆっくりとすり合わせ製粉する古来から我国に
伝わる伝統の製粉法ですが効率は悪く石の磨耗等による維持コストも高い。
しかし、石と石を摺り合わせて製粉するため摩擦熱も低く「そば」の香りをさほど 損なわないという大きな特徴を持つ。

ロール挽き
ロール挽きとは鉄製のロールとロールの間に「そばの実」を落とし込み粉砕し製粉するもので作業効率は非常に高いためコストも低い。
そのため市場のそば粉の主流(大半)はロール挽きですがロール自体の材質が鉄製のため摩擦熱が高く「そば」本来の香りを大きく失うという長短を持つ。
  温そば(温かいつゆのそば)は邪道

■前述致しました通り「ほんまもんのそば」はつなぎ粉が少ないため「つゆ」に浸かっている間もどんどんと劣化致します。「そば」には「うどん」の様に伸びるという表現ではなく崩れていくのです。例えば砂で作ったダンゴを水につける様なものと理解下さい。寒い時は温かい汁物という気持ちは当然ですが「つゆ」味を楽しまれるのなら「温うどん」で十分ではないでしょうか。

■「そば」は晩秋にかけて収穫され冬が「新そば」となり一番香りの高い時期です。
「そば」は「喉ごしから鼻腔へかけてフッと抜けるほのかな香り」が醍醐味です。
温かい物はたいてい香りも高くなりなりますが「温そば」でも同様に「そば」の命ともいえる「喉ごしのほのかな香り」を消し去ります。新米に味噌汁をかけて食べるようなものでその食べ物の持つ最大の特性を大きく損なわせるような食べ方はやはり邪道と云えましょう。
尚、後述致しますが「そばの香り」は「喉ごし」です、直接 鼻で嗅いでも香りません!
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