本そば(冷そば)の基本的な召し上がり方
 

アンケート募集の中には「食べ方くらい好きにさせろ!」という怒りの声もありましたがやはりこれから申し上げる食べ方の基本が「そば」を 知る上でどうしても重要でありこの基本を知り慣れて頂かなければいつまでも「そば」と「そばもどき=そば色のうどん」との味の区別がつかず現状も打破出来ません。
何も当店が必死になる問題ではありませんがやはり正しい物を正しく後世に残す事が先人の役目であり現状を改善するためには敢えて皆様にもお伝えしご理解を得る事が肝要でありご協力を頂ければご幸甚と考える次第です。


麺をドップリと「つゆ」につけないで下さい。
@まず「ごく少量(小さじ一杯くらい)のつゆ」でワサビを溶き玉子を溶きます。「つゆ」を十分入れてからではワサビも玉子も回ってしまい旨く解けないばかりかワサビのかたまりが「そば」と一緒にノドに入りノドに絡む事があります。
Aここで「つゆ」を入れますが「つゆ」の量は「そば猪口」の3分の1〜半分迄で止めて下さい。「そば猪口」から溢れるほど「つゆ」入れる人がいますが 足らなければ都度足して下さい。
B他のやく味はそれぞれのお好みで入れ準備完了ですが
箸で摘んだ麺を「つゆ」に浸すのはせいぜいその先の3分の1
※なぜ麺をドップリと「つゆ」に浸けないほうが良いのか?
実際にはドップリつけた方が麺に「つゆ味」が行き渡り食べ易く美味しいと
いう反論が聞こえそうですが・・・私どもは美味しい「そば」を提供するために 「そば屋」をやっています。「そば」を食べる人がドップリと「つゆ」に麺をつけた時点で「本そば」の持つ特性はなくなり「そばもどき」と変わらなくなってしまいます。
当店では最良の麺を提供するため10人前を打ち上げるのに約2時間かけ最良の材料と温故知新の技術を駆使し最善の「本そば」を提供出来るよう努力をしています。
再々申し上げます様に「そば」の命は「喉ごしの香り」であり古来から「そばの味」を知るなら「喉で噛め」と言われています。
3分の1〜半分を「つゆ」に浸すのは「そばの香り」を残しながら「つゆ味」も楽しめ双方を同時に味わえるという言う先人からの知恵であり絶妙な二つの味を一度に味わえる基本中の基本の召し上がり方であり「本そばへの味」の一歩なのです。

C「そば」に軽く塩だけを振りかけて香りや特性を引き出す方法も非常に有効です。
Dそばの香りについての質門も多く受けますが・・・残念ながら 「そば粉」や「湯がきあがった麺」にいくら鼻をつけても「そば」は香りません。
前述の通り「そばの香り」は喉ごしの「ほのかな香り」であり食べた本人しか味わう事の出来ない「本そば」の持つ究極の香りであり味なのです。

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